男性の離婚 その1 心構え(part2)

こんばんは。ho-rituiroiroです。

このブログでは、法律に関するいろいろーを書いています。

 

さて、昨日は、離婚調停・裁判にあたっての心構えの第1として、「夫婦関係をやり直すことは無理だなー」と「諦める」ことが必要であることを書きました。

 

今日はその続きですが、夫婦関係の修復を「諦めた」場合、その次に、これまで築き上げてきた財産の清算や、今後の養育費の支払など、過去の清算と、将来のことを考えなければいけません。

 

ここでも男性は「諦め」が必要です。

 

「またか」と絶望されたり、怒る方がいるかもしれませんが、現実をきちんと直視することが必要です。

 

まず、過去の清算としての財産分与について、「財産は貯金くらいしかありません」という夫婦は単純です。

基本的には、単純に、夫婦名義の財産を足して2で割って、お互いが2分の1ずつ取るように調整すればいいだけです。

 

ところが、一定の収入を得ていて、夫婦生活がそれなりに長く、子供がいるという夫婦の場合、大抵、そう単純にはいきません。

こういう夫婦の場合、多くが、どこかで家を買っていたり、学資保険の積立があったり、他の特殊な財形貯蓄をしていたりするからです。

 

なぜこういう場合に単純にいかないかというと、不動産は売ってないのに売ったと仮定して考えたり、学資保険の積立などは現にないお金をあるものとして考えたりしなければいけないからです。

 

たとえば、家が売ればローンとプラスマイナスでプラス100万円くらいになり、学資保険は解約すれば100万円になるけど、貯金は全くないという場合、払えるお金はないのに、財産分与では、家と保険を取得する側が200万円の半分である100万円を支払わないといけません。

 

また、大抵、不動産や保険は中途半端な時期に売却すると損をします。

夫婦共有財産は、いわゆるゴーイングコンサーンバリューです。

つまり、夫婦関係が続いていることで価値を有したり、将来的に価値を持つ財産です。

これを解体して、スクラップバリューで評価すると、当然、損が出ます。

 

そのため、第1に「離婚によって損をする」ことについて「諦め」が必要です。

 

そして第2に、実際に損をし、あるいは損をした気分になるのは男性であることについて「諦め」が必要です。

 

たとえば、不動産でローンの債務者となっているのは大体男性で、不動産を売ってプラスになればいいですが、マイナスになる場合には、売っても借金だけ負うような形になります。

だからといって、妻と子供が出て行った家のローンを支払い続け、そこに住み続けるというのは、とても辛いことです。

 

こういった状況に陥ることについても「諦め」が必要です。

 

次に、養育費の支払についても、あまり男性にとって耳よりな情報はありません。

 

巷では、「養育費を減額する方法!」と銘打ったものがありますが、基本的に、養育費を基準より減額することは不可能だと考えた方が正しい場合が多いです(いつかきちんと、減額できるケースとできないケースを紹介します)。

 

したがって、男性は、基本的に、基準に従った養育費を支払う必要があり、争っても結局、審判という形で支払を命じられます。

 

そのため、「養育費は基準どおり支払わないといけないんだなー」という「諦め」が必要です。

 

そのほか、男性が離婚にあたって「諦めないといけないこと」は沢山あります。

その1は導入ですので、詳しくは、これから順に詳しく説明させていただく予定です。

 

 

さて、導入であるその1では、男性にとって厳しい見通しばかりが書かれた上で、「諦めろ」と繰り返し書かれ、ともすると「女性の味方なのではないか!」と疑われるかもしれません。

 

しかし、私が厳しい見通しを伝えるのは、どこかのタイミングで見切りをつけないと、延々と時間ばかりが消費され、精神的にも疲弊し、トータルで見たときには、良くないと思うからです。

 

離婚紛争は、精神的にとてもしんどいことです。

大好きだったし、信頼していた相手と対立するのですから、当たり前です。

 

そういう精神的につらい争いは、どこかのタイミングで見切りをつけて、新しい人生に目を向ける方が、きっと良いことの方が多いはずです。

自分のやりたいようにやったけど、精神的にやられてしまったし、次の相手を見つけるには年をとりすぎてしまった、というのでは、後から振り返って後悔することの方が多いように感じます。

 

もちろん、人生は人それぞれですので、どうするかは自由です。

ただ、私は上に書いたような気持ちで書いてます、ということで、その1を終えたいと思います。

 

次からは、離婚にあったて問題となる条件(財産分与、養育費、慰謝料等)や、各条件の詳細など、より具体的なことを書いていく予定です。